一般的な住宅から、マンションやビルなど大型の建築物まで、建設工事の規模は色々ですが、
建設工事は様々な専門分野の工事が必要であり、
それらの専門的な工事を管理するには、施工管理技士は必要不可欠な存在です。
これを機に、みなさんも施工管理技士の仕事内容について知っておくと良いでしょう。
●建設施工管理技士とは?
建築施工管理技士とは、数ある施工管理技士のうちの技術資格の一つです。
1級と2級に分かれており、その違いは、担当できる建設工事の「規模と役職」にあります。
2級は中小規模の建設工事において「主任技術者」の役職に留まりますが、
1級では、大規模な建設工事の「監理技術者」として働くことが可能です。
1級の資格を持つと、幅広い業務を担当できるので、給与面でも有利になるのが特徴です。
建設工事を適正に行う上で、建築や現場管理における幅広い知識を持つ証明となり、
建築物の質や安全面の向上などに役立ちます。
●建築施工管理技士の仕事内容 ~施工管理と現場監督の違い~
施工管理の仕事内容は、工事現場の施工や予算、安全面に加え、
役所への手続きや書類作成など、工事に関わる全ての業務を管理します。
一方、現場監督は工事現場における作業員の指示や工事の進捗など、工事現場の指揮が主な仕事です。
なお、建築施工管理技士の主な仕事内容は、以下の4つの項目を軸にして行われています。
施工計画
建設工事が設計図通りに、予算内に安全に行うための工法を計画します。
計画に関わる専門工事業者を選定し、着工前に施工計画の内容を伝え、現場やその周辺の状況を調査し把握しておきます。
解体や掘削等により現場で発生する資材の抑制・再利用・再資源化も計画し、
廃棄物が出る場合の運搬場所も予め決めておきます。
工程管理
建設工事が予定通りに進むように管理し、それに併せて資材の発注もします。
工事の始まりから終わりまで、現場に関わる工事内容を把握し、
それに関わる大勢の職人の工程(スケジュール)を組みます。
安全管理
作業員やその周辺の人々が怪我をせずに、安全に工事が進むように、現場に出入りする作業員への安全教育や、
書類提出による健康管理、工事における危険予知とその周知、パトロール、
使用する機器の安全性チェック等、建設現場における全ての安全の管理も行います。
品質管理
設計図の指示通りの内容を満たすように、建設現場を管理する重要な仕事です。
予算に合わせて使用予定の材料の管理や、仕上げの程度・精度等の目標を立てます。
また、設計図では表現しきれない詳細な図面を作成することもあります。
●建築施工管理技士の苦労
工事の依頼主、設計者、多数の現場作業員、役場等の検査員、工事現場の近隣の人々等とても大勢の人と関る上で、
それらの人たちと良好な関係を保つことも必要な技術とされています。
現場では、作業員とのコミュニケーションを図り、工程通りに工事が進むように指導することが重要ですが、
作業員は職人気質の人が多いので、話を聞いてもらうための信頼関係を築くことが大変なこともあります。
そして、建築は工期に間に合うようにするのが基本ですが、
安全面の配慮に欠けると事故を起こすリスクが高くなります。
建設を予定通りに進めるだけでなく、事故に対する注意力も保たなければなりません。
また、現場業務と並行して事務作業を行うため、やることが多く、
繁忙期には残業や休日出勤せざるを得ないこともあるでしょう。
万が一、設計図通りに進めることが不可能であると判断される場合は、
依頼主と設計者に相談し、他の方法を検討することもあります。
まとめ
施工管理技士の仕事は、工期と建物全体の完成度に大きく関わります。
難しい仕事である分、評価が給与に反映されるのでやりがいはあります。
また、施工管理者としてキャリアアップを目指すなら、資格を取得する必要があります。
工事内容によって様々な資格があるので、現在働いている業務に役立つ資格や、興味のある資格の取得を目指しましょう。