空調設備とは?
空調設備とは空気調和設備を略した言葉です。
換気、湿度調整、加湿器、除湿器、配管とこれらの5つに分けることができ、
これらの機能をどれか一つでも持つ機器を「空調設備」と言います。
【換気】というのは空気を入れ替える、ということです。
室内の空気を室内機から取り入れ、配管を通るフロンガスなどでその空気の温度を調節していき、
適切な温度の空気をまたそれを室内に送風していきます。
【湿度調整】というのも空調設備の重要な役割の一つです。
特に日本は夏場は非常に湿度が高く、湿度調整をする機能がないと熱中症などを防ぐことが難しくなり、
非常に重要な要素と言えます。
逆に冬場などは湿度が低くなる日も多いなど、日本はかなり乾燥しがちです。
部屋の中が乾燥していると喉の調子が悪くなってしまったり、風邪も引きやすくなってきます。
また肌もカサカサになってきます。
なので【加湿器】というのも、やはり重要です。
【除湿機】は部屋の中の空気の湿度を減らしていく機能です。
加湿器と除湿機の機能を活用することで室内の湿度調整をしていく、という形になってきます。
そして空調を動かす中で絶対に欠かせないのが【配管】というものです。
室内機と室外機の間を配管でつなぐことで、初めて機能を発揮します。
ここまでは空調設備の概要について記載しましたが、次は空調設備の種類についてご説明いたします。
対流式の空調
いわゆるエアコンのことです。
その対流式の空調には、大きく分けて2種類あります。
【セントラル空調】と呼ばれ建物内の空調を一括管理している方式で、商業施設などはこの方法が多いです。
【個別空調】はオフィスビルやホテルに多く採用されている方式で、部屋ごとで空調を調整できます。
テナントビルでは特に、各テナント毎に温度調整が可能となりますので、管理がし易い設計になっております。
空調機の種類
セントラル空調・個別空調に用いられる、空調機の種類も紹介しておきます。
天井埋込カセット形、ダクト形、天井吊形、壁掛形、床置形の5種類あります。
・天井埋込カセット形
全方向に風を送れます。
ただし、天井に埋め込むため工事が大掛かりです。
・ダクト形
比較的均一に風を送れます。
ただし、天井内にダクトを通すなど工事が大掛かりです。
・天井吊形
取り付け工事は簡単です。
ただし、風が一方向にしか行きません。
・壁掛形
取り付け工事は簡単です。
ただし、風が一方向にしか行きません。
・床置形
取り付け工事は一番簡単です。
ただし、風が一方向にしか行きません。
と空調機の種類でも様々な形式があり、設置する状況に応じて選定することが重要となってきます。
ダクトの種類
次に搬送するダクトについてご説明いたします。ダクトは以下の種類があります。
EA(Exhaust Air):排気(室内の空気を出す)
SA(Supply Air):給気(室内へ空気を取り入れる)
OA(Open Air):外気(外の新鮮な空気を室内に取り入れる)
RA(Return Air):還気(室内の空気を外へ出す)
空調設備の耐用年数とその費用
ここまでは簡単に空調設備について記載しましたが、次は重要となる費用についてご説明します。
空調の耐用年数は、稼働状況にもよって異なりますが、エアコンは6年、
建物付属設備であるならば13年もしくは15年ほどとなります。
各メーカーや工業会で耐用年数が定められておりますが、個人的な経験値では、
稼働率と合わせ使用環境(埃が多い・高温多湿など)によって大きく左右されると考えております。
また、途中でのメンテナンスによる延命により寿命を延ばすことも可能です。
一般的にはメーカーの耐用年数で交換・更新することは安全ではありますが、個人的には早いと考えております。
機器の状況を確認しつつ定期的な修繕工事やメンテナンスを行いながら
ベストのタイミングで更新することができれば、ライフサイクルコストも抑えられます。
建築物付帯設備で重要とも言える空調について、一般的な内容を記載しましたので、
何かの参考にしてもらえれば幸いです。