「プラント配管工事ってどんなことをするの?」
「プラント配管工事の特徴が知りたい……!」
水道管や空調配管と比較すると専門性が高く、施工に高い技術を必要とするプラント配管工事。しかし、他の配管工事との違いがよくわからないという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、配管工事施工のプロが「プラント配管工事の種類・特徴」についてわかりやすく説明します。
施工時の注意点についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
プラント配管工事とは
プラント配管とは、化学工場や食品工場、製鉄所などの工場で使用される配管です。一般的な建物でも使用する水道管や空調配管だけではなく、熱湯や酸素、製造に使用するガスや液体なども輸送されるため、用途に合った配管素材を選択する必要があります。
また、圧力計や温度計、流量計、レジューサーを始めとする「弁」などの器具が設置されることで、安全に配管を使用できる形になります。
プラント配管の設計にあたっては、高度な専門知識・技術が求められ、その他の配管工事とは全く別物として扱われるのです。
プラント配管工事の3種類
プラント配管工事の種類は大きく分けると、「液体配管工事」「気体配管工事」「粉体配管工事」の3つに分けられます。
ここからは、それぞれの特徴について紹介します。
1.液体配管工事
飲料水はもちろん、工場で必要な雑用水、熱源水、排水を流す配管が「液体配管」です。
配管径を小さくしたり、空気抜き弁を取り付けたりすることで、内部にできる空気だまりを防ぎ、配管内の流れを保つことができます。冬場には配管の凍結に注意する必要があり、十分な対策をとらなければなりません。
また、液体配管は油を流す際にも使用します。水道管と比較すると圧力がかかることに加えて、より腐食性が高い流体を流すので、耐圧性や耐食性の高い構造や素材が求められます。
2.気体配管工事
「気体配管」とは、空気や蒸気、冷媒、燃料などを通すための配管です。一般的に、プラントに使用する機器同士を接続するプロセス配管や、真空環境を作り出すために必要な真空配管などに使用されます。
最も身近な冷媒配管は適切な口径の配管を選択することで、圧力や温度の変化が一定となり、エネルギー効率を高めることができます。また、蒸気や冷媒を流す配管として使用するのであれば、熱損失を防ぐための保温工事も欠かせません。
さらに、ガス管なら腐食対策、水蒸気を流すなら高温高圧に耐えられる素材を選択する必要があります。
3.粉体配管工事
主に食品工場などの小麦粉をはじめとした、粉を流すための配管が「粉体配管」です。
上記2つの配管と異なる点は、流れる流体が「ダマ」を作りやすく、詰まってしまう可能性が高いことです。そのため、配管のつまりを防ぐために工夫しなければいけません。
主に採用される対策法として、配管の表面が滑らかで平らな素材を使用する、配管の形状になるべくカーブを作らない、などの2点が挙げられます。また、工場稼働後も流れの悪さを感じたら、すぐにメンテナンスを行う必要があるでしょう。
プラント配管施工時の注意点
プラント配管は工場にとって重要な設備であり、不備があると工場は正常に稼働できません。そのため、プラント配管施工時にはさまざまな点に注意して施工をする必要があります。
具体的には、以下の2点に注意しましょう。
- 使用用途や周辺環境に合わせて最適な素材を選ぶ
- 定期的なメンテナンスの実施
施工時に最も重要なのは素材選びです。配管口径や耐圧性、耐熱性、耐腐食性、耐衝撃性、コストなどのさまざまなポイントに注意しなければいけません。
設置する周辺環境に合わせた素材選びも重要です。環境に合わない素材を選ぶことで、配管の寿命を縮めてしまいます。
また、適切な配管素材を選んだとしても、配管が永久に使用できるわけではありません。どのような配管を選択しても経年劣化によって劣化は起こるので、定期的にメンテナンスを実施し、耐用年数に合わせて配管交換を考えるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、プラント配管工事の特徴や種類について詳しく説明しました。
プラント配管工事は以下の3つに分けられます。
- 液体配管工事
- 気体配管工事
- 粉体配管工事
施工時は使用用途や周辺の環境に合わせて、適切な素材を選択することでトラブルを防ぐことができます。また、たとえ適切な材質の配管を選んでも永久に使用できるわけではないため、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
当社は、30年以上に渡り、空調・衛生設備の設計・施工・管理及び既設建物の改修工事の施工・管理を承っております。配管工事についてお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。